あらすじ~七重の場合と勇の場合

はる先生が直樹と結花と会ったことで、20年前にあった行き違いをふたりはようや解消することができました。結花は、自分の母親が先生の男性との噂をいい広めてしまったため、先生が島から居られなくなってしまったことを告白することで、結花も謝ることができました。決して結花が悪いことをした訳でもなく、ただ人口の狭い島ということもあって生徒の父兄や島民たちからの厳しい視線に、はる先生自身も耐えることができなくなってしまったのかもしれません。決して結花も悪いことをした訳でもないにも関わらず、やはりまだ子どもだったことが余計に心に重荷として残っていたのでしょう。

次にはる先生が会いに行くのは、七重です。子どもの頃から飛び抜けて身長の高い七重は、何か達観しているかのようにも見え物事に冷めてしまった目を持っています。信人に住所を教えたのが、真奈美でもなければ直樹でもそして結花でもありません。信人に住所を教えたのはいったい誰なのでしょうか~

北のカナリア:七重の場合

信人にはるの住所を教えたのは、真奈美でもなければ直樹でもそして結花でもありませんでした。信人にはるの住所を教えたのは稚内で溶接工として働いている七重(小池栄子)だったのです。20年前の子供の時でも、背がとても高かったのですが、大人になった七重はさらに身長が伸びていました

七重から語られたことは「東京でノブに会ってこれ~結婚すると話を聞いて、ノブはとても幸せそうだったこと」を聞かされます。そして、信人が結婚するから先生の住所を教えてくれと言ってきて、はるの住所を七重が教えたことが分かりました。そして20年前の独唱のことについても、真奈美と同じく本当は結花に変わって私が独唱したかったことが七重の口から出たのでした。

20年ぶりに先生にあって、七重はもちろん懐かしさを現してはいますがどこか冷めたところがあります。今では人を好きになると仕方がないと達観してもいます。そして七重の口から語られたのは、20年前のあのバーベキューの日に、はる先生が不倫相手と会っていたのを目撃したのは、七重だったこと、そして先生が男の人と会っていたことを広めた噂の元は私だと語るのでした。「先生が男の人に会っていたことが噂になった噂の元は、私なんだ。あの日浜辺に行く前に、先生が男の人と抱き合ってキスをしているのを見たんだ。」とそこまで話した時に、女性が乱入して七重を掴みかかってきて「この泥棒猫!!もう二度とうちの亭主に手を出すな!」と七重の顔に平手打ちを食らわすのでした。

七重まだ幼きときに、先生が男の人と抱き合ってキスしていることをみんなに言いふらしましたが、年月が過ぎ七重も大人に成長して現在、まさに今彼女自身が不倫をしていることで、多少はあの時のはるの気持ちも分かっているようです。七重はむかしイサムちゃんと呼ばれていた松田勇(松田龍平)が、現在警察官として島で働いていることを話します。そしてはるは、旅の最終地になるでであろうと思われる岬分校がある島へと向かうのでした。

北のカナリア:勇の場合

勇が警察官として勤務している警察署にも、かつての旧友の鈴木信人が起こした事件についての連絡がすでに届いていました。もし、信人が島に戻っていると考えれると、信人が隠れる場所は限定されてきます。

そして勇は、深い雪に埋もれている小屋に隠れていたノブを見つけます。ノブを見つけた勇は追いかけますが、勇から追い詰められたノブが逃げ込んだのが子どもの頃と同じで、高い煙突です。そしてその高い煙突は、かつて子ども時代に信人が乗ったことがある煙突です。子どもの頃に、同じように煙突を駆け上がり逃げた時には、はるに助けられたことがある煙突です。

追いかけてきた警察官が勇だと信人が分かると、「イサムちゃん!!」とホッとしたのか、手を振りますがその瞬間に煙突から落下してしまい地面に打ち付けられてしまいそのまま救急搬送されることになりました。

信人の知らせを聞いて、はるは病院に駆けつけます。はるに応対したのは、勇でした。そしてイサムが語ったのは、「先生・・・イサムに会わせてあげることができずに、すみません。先生はおれ達のこと捨ててしまったものだと思っていました。いつもノブのことをいじめていたけれど、本当はあいつのことが好きで、いつもノブのことをいじめていたけれど、信人はそれでもオレの後を付いてきていたんです。」

そい8たして勇の話は子ども時代の話になります。「おれの家はみんな医者で・・・。オレだけが家族の中で落ちこぼれだったから、それでノブに八つ当たりをしていたのかもしれません。」そして勇は先生の旦那さんのことが嫌いだったことも告白します。先生の夫は勇が飼っていた飼い犬を傷つけていました。末期の癌を抱えていて気丈に振舞っていた先生の旦那さんですが、これから自分が迎える「死」に対しての恐怖からから、自分より弱くまた言葉を発することができないモノを傷つける。という弱さも持っていたのでした。

さらに、先生の不倫相手の男(仲村トオル)は元刑事で、かつて彼の目の前で人質が殺されてしまったことも勇の口から語られました。はるの不倫相手だった元刑事は、人質を目の前で殺害されて、左遷というかたちで島の駐在として赴任してきていたのでした。そして元刑事の彼も、危うさと脆さを持っていて正面から来たトラックを避けることもしないという、自殺願望を持った男でした。はる先生がそんな危うい男に引かれていたのも、彼の持つ弱さに引かれていたからかもしれません。

そしてそんな話を勇とはるがしている時に、昏睡状態だった信人の意識が戻ったという連絡が入るのでした。

映画「北のカナリアたち」のあらすじをすべて・・・

冬の美しい厳しい映像や高倉健さん×降旗コンビでも撮影を担当したキャメラマンの木村さんが、東映60周年記念作品「北のカナリアたち」で撮影を担当しています。主演は吉永小百合さん、そして若手実力派俳優が教え子として登場しますが、森山未來さんの演技には驚かされることでしょう。北海道の最北端の離島を舞台にした映像美と、原作湊かなえさんのミステリーも楽しめるとても豪華な作品になっています。