あらすじ~直樹の場合と結花の場合

はる先生の生徒ひとりひとりを尋ねていく旅は続いています。一番最初に訪れたのは、今までも年賀状のやりとりがある真奈美でした。6人のうちで唯一の既婚者の真奈美を訪ねて、真奈美がずっと20年間抱えていた苦しみを知ることになりました。はる先生の旦那さんを死なせてしまったという幼い心にずっと残っていたこと。真奈美自身もはる先生と会うことで、20年前のことを話をしたことで心にずっとあった重荷がかなり楽になったことでしょう。

次にはる先生がおとづれるのは、北海道の札幌です。札幌で会うのは最初に尋ねるのは、真奈美から聞いた直樹ですが直樹から次に知らされるのは、同じく札幌に住んでいる結花でした。直樹と結花、このふたりにも何かありそうな感じがします。このふたりだけにあった何かも、はる先生は知ることになります。

北のカナリア:直樹の場合

札幌で働く直樹(勝地涼)と、はるは会います。ナオは札幌で働いているとばかり思ってましたが、勤務していた上場企業は倒産してしまっていて、直樹は失業中でした。久々に会うハルに、ナオは近況を報告します。本当に20年ぶりに先生に会うので、元気でバリバリ働いている姿を先生に見せたかったのですが、失業中ということを残念がり、友人の起業家とともに海外で新規事業を立ち上げることを考えていることを伝えます。そして海外へ向けて出発するつもりということも付け加えますが、自分の近況をひとしきり話をしたあと、はるに謝罪するのでした。

直樹の謝罪。「ご主人の事故の一因になったケンカの責任は、ぼくにあります。」そしてケンカになった原因が語られるのでした。

直樹の父親はかなりの飲んだくれで、おまけに仕事もしないので、家は貧乏でした。そして仕事もしないのにお酒を飲み、結花の母親の店に父親は入り浸り状態でした。そんな父親のせいで、家が貧乏なんだ。と貧乏なことを恨んでいたため、結花に心無いことを言ったせいでケンカが起きてしまったのです。

結花に心無いことを言ってしまったことを謝りたいと、ナオは思っていました。そしてバーベキューの日に、先生のご主人さんに相談した時に言われました。「ある人がもし、明日にも世界が終わるとしたら、今日りんごの木を植えると言ったんだよ。それはね、今できることをやりなさい。後で後悔しないように・・。そして男はね、結果を恐れちゃいけないんだよ。わかるね?!」と、先生の旦那さんにナオはバーベキューの日に励まされたのでした。

先生の旦那さんに言われた言葉に勇気づけられ、結花にきちんと謝ろうとするナオですが謝ろうとしても、結花に避けられてしまいました。・・・そしてナオの耳に聞こえてきたのは、結花が海に落ちた時の悲鳴でした。直樹も真奈美と同じように、結花が海に落ちてしまったこと。そして結花が海に落ちたことで、助けようとした先生の旦那さんが死んでしまったのは、自分のせいだと思っていたのです。

結花はナオと同じ札幌市内に住んでいて、時々ふたりは顔も合わせているにもかかわらず、ナオと結花は一度もことばを交わしていませんでした。直樹とはるは、札幌市内を歩きながら話をしていました。そしていつの間にか、ふたりが到着したのはある幼稚園の近くに来ていました。

はるは直樹に言います。「あのことで20年間もの長い間、あなたに余計な気苦労をさせてしまっていたのね・・。すべて私の責任だったのよ。どうかもう忘れてね」と、その時に直樹は幼稚園で働く一人の女性を指差しています。直樹の指差した女性は、成長した結花の姿でした。

北のカナリア:結花の場合

幼稚園で忙しく働いている結花(宮﨑あおい)の仕事が落ち着いてから、結花とはるはじっくりと話し合うことにします。やはり直樹の言うとおり、直樹と結花は20年間和解することはできなかったようです。

結花ははるに、20年前のバーベキューの時に転落した事故の真相を語ります。そして結花も、自分が足を滑らせたこと、そしてあの時の本心は自殺するような『ふり』をしようと思っていたことを、心から後悔していました。

「バーベキューのあの日、直樹くんが私に謝ろうとしていたのは分かっていたの。私も飛び込む気はなかったのよ。ナオには「俺の父さんを騙した金で買ったんだろう」と侮辱されて、とにかく何もかもが憎くなって、当てつけで死ぬふりをしようとおもって・・そして岩にあがった時に、間違って滑り落ちてしまったの。」と自分が転落した事故の真相を話します。そしてそれだけではありませんでした。先生のご主人を殺してしまったのは、私のせいだと自責の念にかられていたのでした。

「私のママが、先生が島に居られなくなった理由を作ったのよ。私のママが、島中に言いふらしたのよ。先生がバーベキューの時に男に会いにいっていたっていうこと。」結花の言葉に対して、はるは優しくそして結花が思いもよらないことを話すのでした。「お母さんがおっしゃったことは、本当のことよ。私は、あの時に男の人と会っていたの。」そしてはるが会っていた男の人については、後に語られることになるのでした。

はるは結花に「あなたの負担が軽くなるなら・・という理由で、「私の夫には、脳腫瘍があったため彼の余命が残り半年もなかった」ことを明かします。そして夫が亡くなったことに関しても「これは私だけの問題で、あなたが負担に思うことはなく、あなたの問題とは違う」ことを話します。そして結花に「ナオちゃんも、とてもあなたと話したがっているから」と諭すのでした。

結花の元をはなが立ち去りますが、結花に直樹が声を掛けました。実はなぜ結花が札幌にいたのかというと、結花はいつも直樹の後を追っていたからです。どうして札幌の幼稚園で働いているのか。というのも、札幌に直樹がいたからです。ふたりは、一挙に今まで失われていた20年間を取り戻し手袋を外して握手をして、結花は直樹を抱きしめます。今までずっとあった壁がようやく取り払われました。

映画「北のカナリアたち」のあらすじをすべて・・・

冬の美しい厳しい映像や高倉健さん×降旗コンビでも撮影を担当したキャメラマンの木村さんが、東映60周年記念作品「北のカナリアたち」で撮影を担当しています。主演は吉永小百合さん、そして若手実力派俳優が教え子として登場しますが、森山未來さんの演技には驚かされることでしょう。北海道の最北端の離島を舞台にした映像美と、原作湊かなえさんのミステリーも楽しめるとても豪華な作品になっています。